忠愛（ちゅうあい）株式会社富川酒造店

　ラベルはエンボス加工が施された黒地でセンターにブルーの箔で銘柄の「忠愛」、愛の文字が大きくアクセントになっています。すぐ下に平仮名で「ちゅうあい」とルビがふってありわかりやすい。左に醸造元情報。

　上立ち香は、心地よく華やかにメロンを思わせるように香ります。おしりが少し柔らかくなったメロン。いかにも熟していいますよ～とアピールしてくるかのような香りです。すでに「ハイぃ～大好き～」って感じになってます。

　含むと、開栓当初にあったアルコール由来の揮発感が、溶け込んだような含み香に変化し、ジンっとくるようなリッチな甘みが瞬間的に広がります。後半は非常に僅かな苦み（アクセント）も愛山らしく、しかしあれだけの甘味を表現したとは思えない切り取られ方。

　もう一度注意深く含む。この切り取られ方！、これは中井精也さんの鉄道写真だ。全体の構図として見せるのは写真家らしい別の主題の美しい写真。でも皆は知っている、どこかに電車（アクセント）が入っているはず！、あっ、あったぁ。旨いっす。

　ラベルはエンボス加工が施された黒地でセンターにシルバーの箔で銘柄の「忠愛」、愛の文字が大きくアクセントになっています。すぐ下に平仮名で「ちゅうあい」とルビがふってありわかりやすい。左に醸造元情報。

　上立ち香は、穏やかながら心地よくメロンのように香ります。明らかに先日の愛山よりも大人しいが、程よく高級酒の雰囲気のある香りです。愛山には酵母にM310だけでなくプラスアルファと書かれていましたが、こちらはM310のみのようです。

　含むと…、…、ん～やはりいい甘味。単純な甘みだけでなく、旨味を思わせるコッチリ感が雄町らしい。酸は大きく主張することはなく、後半まで綺麗にさばけていきます。

　もう一度注意深く含む。甘味主体を押し上げるように存在する、このこちっとした旨味。これは！、使い込んだBREEの名詞ケースだ。ヌメ革独特の自然な風合いながら、使い込んだことで自然に程よく乗った茶色い艶。永くずっと付き合っていきたいと思わせる馴染んだ感触。旨いっす。

　ラベルはエンボス加工が施された黒地でセンターにピンクの箔で銘柄の「忠愛」、愛の文字が大きくアクセントになっています。すぐ下に平仮名で「ちゅうあい」とルビがふってありわかりやすい。左に醸造元情報。

　上立ち香は、比較的華やかでメロンのように香ります。香りの出方は雄町よりも愛山に近く、煌びやかです。我が家好みのいい香りが出ています。

　含むと…、…、おおお、これもいい甘味だぁ。ん？綺麗さも申し分ない！。旨いぞぉ～これ。なぜ美山錦だけ特定名称を変えているのか、余計わからなくなりました。酸は僅かで甘味と寄り添い、下から支えてくれます。後半はともしびがフェードアウトしていくように余韻を残し、消えていきます。

　もう一度注意深く含む。この綺麗な灯り、これは櫨の実から作った和ロウソクの火だ。芯は和紙で空洞になっていることから、風もないのに最初は上下に美しく揺らぎます。落ち着くと驚くほど長く伸びる。ずっと見ていられそうです。旨いっす。